本のカバーは文字だけがいい。
写真やイラストの奇麗なカバーが目を引くのはもちろんで。
タイトルだけのカバーに魅力を感じる人はたぶん少ない。
でも本にはせっかく名前(書名)がついている。写真やイラストに隠れてばかりじゃちょっと……ね。
だけどタイトルだけの本ばっか並んでても味気ないじゃない。とおっしゃる方々心配ご無用。そんな事にはなりません。
やっぱり本だって売れたいし、売れればうれしいし、読んで欲しい。
売れなきゃ本がぱったりって人がいる。現実的なはなし。
それでも文字だけのカバーこそ愛すべきパートナーなんだ。とこの頃思ってしまう。
いつ頃がこの頃か、憶えてないけれど。
デザインは本と一緒でも、デザインそれ自体であってほしい。
本は読めばわかるのだから。
どうぞ手にとり、どうぞ読んでください。
その時々の愛する一冊くらいはみつかるでしょう。たぶん。
アクティブな余暇もいいけど、丸まって本と過ごす余暇もよいものです。
そう余暇。文字だけのカバーも余暇いっぱい余白いっぱいです。
本はそもそも余白のあつまりなんですから。
余白の余は「余り」でもあって、「余裕」でもあって。
「余り」は捨ててしまわずに、「余裕」をもって落ち着きください。
余った時間は「暇」ではなくて「自由」にしましょう。
文字が余白と溶け合いひろがったら、答えてくれる。
余白が海となって凪いでくる。文字が島となって海に浮かんでくる。
指でその島の間をなぞっていったら、クジラになって泳ぎはじめた。
ゆったりゆったり、自由なクジラが、本の中へと潜ってゆく。
仕事中うとうとした時に見た夢の話し……。