本ができあがるまでの日数〜「頭の中はもっと広いでしょう』〜

本の依頼をされる方との会話の中で、必ずでてくる言葉があります。
「で、本はいつできます?」


自費出版であれば、問う方は依頼者であると同時に著作者です。
よって「著作者のあなた次第です」がその答えになります。
もちろんこんな突き放す言い方でなく、本の制作過程をご説明する会話の中へ軟らかく挟み込んでお話します。


つまり本の制作日数のほとんどは原稿の修正や校正なのです。
ゲラの修正は制作会社の仕事だとおっしゃる方もいるでしょう、もちろんそうなのですが、その修正日数を決定するのも著者の訂正の多い少ないによるのですから、本ができるのは「著作者のあなた次第です」との答えに変更はありません。
(以下を参考にしてください。https://sankyobooks.jp/sankyo/kumiban.html


これは著者の関わる作業は、スケジュール通りにゆかないということを表しています。
一方、著者の関わらない作業(印刷〜製本〜納入)はスケジュール通りゆく、日程を計算しやすい工程だと言えます(およそ2週間もあれば可能でしょう)。


よって大雑把ではありますが、以下の方程式(?)がたちます。
著者の関わる作業(校正などゲラチェック) + 2週間(印刷〜製本〜納入)= 本の制作日数


こんな事を書いていたら脈絡もなくふと思い出されてしまったのが、夏目漱石『三四郎』の1シーン、主人公・三四郎が大学へ這入るため熊本から東京へ向かう列車の中で出会った髭の男(後に広田先生として登場)との会話です。


『「熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より……」で一寸切ったが、三四郎の顔を見ると耳を傾けている。
「日本より頭の中の方が広いでしょう」と言った。』
(夏目漱石『三四郎』 新潮文庫版より)


原稿を読んだり校正したりをする頭の中も広いでしょう。
その広さは人の創造力・想像力の広さの中にあるものでしょう。
意識もあれば無意識もあったりと、この厄介な頭の中はふと何かを思い出したりして脇道に逸れることもしょっちゅうなんてことはないでしょうか(こうしている間にも『ボブ・ディランの頭の中』という映画が、次には最近出た『ボブ・ディラン著 佐藤良明訳『The Lyrics 1961-1973』『The Lyrics 1974-2012』 岩波書店』読みてぇ と頭の中に広がってしまってる)。

「頭の中は広いでしょう」


「日本より広い」のですから、本人でさえ知らない無尽蔵なものが潜んでいるのでしょう。
そんな頭の中にスケジュールを入れたところでそもそも無理がある。と考えた方がよさそうです。
待つ事1週間。で済む事もあれば、一ヶ月、それ以上。はたまた忘れた頃(笑)。
焦ったところで仕方もなく、こちら側でただ待つのみです(戻って来たら急かされるんだろうな(涙))。
まぁそんな頭の中をもっているからこそ、本を作ろうと思ったりするのでしょう……。

https://sankyobooks.jp/sankyo/index.html

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