装丁してみませんか

カバーデザイン・装丁の依頼について

小社では著者(依頼者)ご自身でのカバーデザイン・装丁の制作をおすすめしております。
せっかくご自分で本を作るのです、自由気ままにやられてはいかがでしょう。束縛するものは何もないはずです。
(※ 装丁とは本全体の造本を指しますが、ここではカバーデザインに限ってお話します。)

日本の装丁は海外でも評価が高く、多くの優れた装丁家がいらしゃいますが、元々は編集者の仕事でした。
装丁の巨匠・田村義也さんは個人的に最も好きな装丁家ですが、岩波書店の月刊誌『世界』『文学』の編集長をされていました。
その装丁は、商業的とはまったく真逆を向いた印象と魅力をもって他に類がなく、文字、書体の力強さは特筆すべき存在感で向き合ってきます。それでいて不思議と本自体をまでは呑み込んでしまわず装丁の想定内に留まっているのです。
一度目に焼きついてしまうと、後日書店の本棚を這う目は、田村さんの装丁した本へと勝手に導かれてしまっているにちがいありません。
このような広く図抜けた装丁は、読み物である本としての性質上から疑問もあるかもしれません。が、そんな「褒貶相半ば」にこそ創造の自由とその生命力を広げゆく「魔物」の存在があると考えます。
今の装丁を見て、「褒貶相半ば」の対象へと達する力を感じることは少なくなりました。

田村さんが教鞭をとられていた武蔵野美術大学の美術館では、展覧会「背文字が呼んでいる 編集装丁家田村義也の仕事」が2008年に開催されました。
展覧会図録中の美術館館長による「あいさつ」文の中に、以下の田村さんの言葉が引用されています。

「編集者の仕事のなかで、装丁はその最終の仕上げであり、まとめでもある」
(展覧会図録『背文字が呼んでいる 編集装丁家田村義也の仕事』武蔵野美術大学美術資料図書館発行より引用)

ここで引用したのは、あなたも「その最終の仕上げ」をご自分でされてはいかがでしょう、とのお誘いです。
また専門の外にいるからこその「魔物」が潜んでいるかもしれません。
自分のために自分の好きな本を作る。これこそ自費出版の最大の特色であるのですから。

現在カバーデザインは主にinDesignやillustratorといったAdobeのソフトで制作され、イメージを具体的に可視化する有効な道具となっています。
ソフトが扱えないとおっしゃる方でもご安心ください。
小社へアイデアやイメージをお話しくださることで、あなたのデザインへとまとめ上げてゆきます。
ひとつの提案としてご一考ください。
もちろんカバーデザインの小社へのご依頼も喜んで承っております。

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