本を作っていますと様々な方から問い合わせがあります。
文字組、デザイン、レイアウトなどのDTPに関わる事はもちろん、印刷、製本、用紙など様々です。
今日の問い合わせは「引用符について」でした。
編集者の問い合わせは、以前出版した本での引用符の使い方が間違っていると他社の編集者から指摘されたというものでした。
引用符とは約物といわれる中のひとつで、分かりやすくいえば記号です。
和文欧文区別なく列記しますと、「」『』()【】‘’“”〝〟ーなどあります。
文章には必ず出てくるこの引用符ですが、誰もが知ってはいても使用方法、その区別と問われると明確に答えられるでしょうか。
校閲の視点から見れば厳格なルールがあると思いますが、本の文字組サイドからいえば全角と半角の区別、句読点や終わり括弧(」』)】)などを行頭にしない、始まり括弧(「『(【)は行末にしないなど「禁則」と呼ばれるルールで意識するくらいなものです。
この禁則ルールもインターネット上では完全に崩壊していて、行頭や行末にカッコや句読点が堂々と居座っているのを頻繁に目にします。
そんなのは些細なことで、拡大縮小が自由なリフロー型のメリットのほうが優先されるのでしょう。
イチャモンをつけているとしたら、本に携わる業界筋いわゆる「専門家」のみかもしれません。
良く言えば伝統。悪く言えば旧態依然ともいえます。
しかし「専門家」に閉じこもって軽視するのでなく、一考する事としとらえるのは大切だと思います。
誰も気にしてないのに勝手に大問題にしている傾向は「専門家(=閉じた業界社会)」にありがちで、もうそれは「こだわり」ではなく「独りよがり」にしかすぎません。もちろん良いものは残せばいいし、そうでないものは変えればいい。
だいぶ横道に逸れました、引用符に話しを戻します。調べた結果は国による使用法、その形やその呼び名など様々あるということでした。
カッコの使い方についての個人的な興味は、本の著者があえてカッコ付きで表記する「固有名詞」、「肩書き」や「コトバ」の意図や思考の方です。