『ウイルスの驚異 人類の長い闘い』

東京新聞電子版に「WHO、「パンデミック」と表明 新型コロナ、終息見通せず」(2020年3月12日)との見出しが、ふとある本を思い出させた。

『ウイルスの脅威 人類の長い闘い』(マイケル・B・A・オールドストーン著 二宮陸雄訳 岩波書店)。

「ウイルス疾患は常に脅威でありつづけている」(『ウイルスの脅威 人類の長い闘い』より)

奥付は「1999年12月16日 初第1刷」だから、新型コロナウイルスの感染が広がる今から20年前発行。

本書「はじめに」では、ウイルスが人類に与えた甚大な影響が書かれてある。

これが凄まじい。

天然痘、黄熱、麻疹、ポリオ、ラッサ熱、エボラ、ハンタ、エイズ、インフルエンザ……これらウイルスの大流行が、今の「世界地図」を作り、今の「世界史」を書いたのだと言っても過言でないことが書かれている。

私たちが「世界史」「人類史」と呼ぶ本の共著者はウイルスだったのだ。

そして今また、新しいウイルスに人の歴史はさらされている。

「ウイルス性伝染病の歴史には、人間の恐怖と迷信と無知が織りこまれている。」

(『ウイルスの脅威 人類の長い闘い』より)

マスクやトイレットペーパが店頭から消えたパンデミックの中、読むべき今の一冊だろう。

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