写真集は色校(色の校正)がすべて
モニタ上でキレイに見えていた写真が、プリンターから出力されてみるとガッカリ! なんて経験をした方は多いのではないでしょうか。
写真集というからには写真が命、主役です。写真集作りでそうならないための最も重要視すべき作業は色の校正(色校)になります。
色校は実際の用紙と実際の印刷機での校正刷りを使用するのが理想的ですが(本機校正)、近年ではプリンタの高品質化とコスト面から大判プリンタでの色校正が多くなっています。
写真作りで知っておきたいポイント
●写真印刷の種類
①カラー写真での印刷
(4色刷 Y(イエロー)M(マゼンタ)C(シアン)K(ブラック)通常のカラー印刷)
(5〜6色刷 YMCK+特色(金・銀・KP(蛍光ピンク)など)
②黒白写真での印刷
(単色刷 黒1色のみ)
(ダブルトーン 2色刷 Kに1色加えることで写真に質感が加わる)
(4色刷 黒白写真をYMCKで印刷)
●モニタの調整
モニタが正確な色を表示しているかの確認。
●写真の解像度
解像度は原寸(紙面上で使用する実際のサイズ)で350dpi必要。
●写真の調整
モニタは3原色(RGB)、印刷は4原色(YMCK)と原色が異なる。
デジタル写真を印刷で使用する場合、Photoshopなどの画像処理ソフトでYMCKへ変換するが、その際に写真の色調が変わることがある。
※写真集を希望される方はNikon、Canon、SONYなどフルサイズ(NikonではFX)、APS-C(NikonではDX)の一眼レフやミラーレスカメラを使用し、データ保存はRAWといった方が多いですが、そんな方からRAWについての問い合わせがあります。
ご存知のようにRAWは露出補正やホワイトバランスなどの画像調整を、撮影後にPC上でするための保存形式です。よって入稿の際には意味をもちません。RAW現像でjpg、tiff形式に別名保存したデータを入稿用とし、元データは再び調整する必要も多々ありますから大切に保存しておいてください。
●色校正
モニタ上の写真(またはプリント)と色校正とを見比べ、色調などのチェックをする。
●用紙の選択
①コート紙・アート紙 一般的な用紙で光沢があり印刷・コストでも優秀。
②マット系用紙 光沢をおさえたぶん写真の見栄えが落ち着き品を与えるが、インクが沈み控えめな印象にも。
③高級アート紙 高級な写真集や絵画集に使用されている。注文生産が多く高価でもある。
※製紙会社や洋紙店各社で発行する紙の見本帳には、紙の特質を目で確認するための写真などが印刷してある。用紙の選択の判断材料にしてください。